「私たち」と「誰だって悩みはある」について
さてさてさて！
リニューアルして初めての記事、何を書こうかと
考えたんですが。
私がこれから書いていくことの、根っこの部分の
ひとつかなと思うので、今日はこのテーマで
いってみます。
「私たち」と「誰だって悩みはある」
1. 「私たち」って、誰のこと？
私は行政職ということもあり、年に数回、
人権についての研修を受ける機会があります。
でね、たとえば、差別の話をしている時、
講師の方が言うことがあります。
「差別はされる側ではなく、する側の問題で、
私たちは、差別されてきた人たちのことを知り、
学び、差別をなくしていくよう行動して
いかなければいけないんです。」
「私たち」って、誰のこと？
と、私はふと引っかかる。
研修を受けてる人は、みんな「する（しうる）側」
っていう想定なのかな、と。
そんなことないよな、と。
「私たち」の中にも、「される側」になる人は
いるはず。たまたま、いないかもしれないけど。
そうなるともはや、「私たち」で括れない。
そう思ってしまう。
（行政に携わる人たち、という括りでの「私たち」
かもしれないんですけど。）
2. 「誰だって悩みはある」…たしかに！では…？
人権についてのアンケートを作っていて、
いわゆる、性的少数者を取り上げた項目の質問を
考えていたときの会話で、こんなやり取りが
ありました。
ー「性的少数者の人たちは、悩んでいると
思いますか？」はどう？
ー何についての悩みですか？誰だって悩みは
ありますよ。
つづきは置いといて、私は、この時、
「誰だって悩みはある」という言葉を聞いて、
たしかに！と思ったんですね。
そして、少数者と言われる立場であっても、
そのことで特に悩んでいない人もいる。
では、何が問題なんだろう。
と考えると、ここからは性的少数者に限らないこと
ですけれども、「多数の人が当たり前にできている
ことができていない状態」、「不当に差別されて
いる状態」といったことが挙げられます。
一方で、まさに、誰でも悩みの一つや二つ、
もしくはそれ以上あるのもたしかで。
その大きさや内容も、それぞれだけど、
本人にとってはすごく一大事であって、
他人と比べて大したことないなんて、簡単に
言えないですよね。
3. 人権について考えるとき
人権についての研修、学習、講演会…に参加した
人の意見で、たまに、一方的に差別は良くないと
説かれることに違和感や抵抗を感じる、というのが
あります。
これ、感覚的には、わかるんです。
自分は差別なんてしてないのに、という気持ちが
あったり、まるで差別する側と決められている
ような気もしたりして。
講義形式じゃなく、参加型にすると自分自身の
考え方やものの見方を見直し、気づきも多い
ようで、そうすることでこの感覚はある程度
変えることができます。
それと別に、先ほどの「誰だって悩みはある」の
ように、「誰だって辛さを抱えている」という
感覚も、心のどこかにあると思います。
差別は良くない、あらゆる人の人権を守らなければ
ならない、それはわかるし、ほとんどの人は実際、
明らかな差別をするわけじゃない。
でも、いわゆる人権問題として取り上げられる
ものが他人事に感じられ、身近な問題として
ふだんから考える、とはなりにくいのは、
自分自身の辛さ、悩みと結びつかないからかなと
思います。
たとえば、なかなか好きな人とうまくいかないし、
結婚できないと長らく悩んでいる人がいるとして、
LGBTの人たちが好きな人とふつうに結婚できない
ことのおかしさについて考えましょう、と言われた
ときに、結婚したいとお互い思い合える相手が
いるだけでうらやましいよ、と思うことも
ありますよね。制度を変えようということに
対して、私が何かできることでもない、と
思うかもしれない。
だけど、社会の中でどんな立場であっても、
お互い、当たり前に幸せに暮らしているわけでは
ないんだと気づいたら、自分とは関係なさそうな
ことも、少し、関係ありそうと思える気が
するんです。
それぞれの人生を背負ったうえで、みんな
伝えたいこと、したいことがある。
それこそ私たちは、生きていたら、
差別する側、される側のどちらにもなりうるし、
過去の経緯から、する／されるという構図で
関係を捉えないわけにはいかない場合があると
しても、もとはお互い「ただの人」同士だと
思ったら、もっと、歩み寄れるかなぁと、
考えています。
それでは、けっこうな長さになってきましたので、
今日はここまでにします。
お読みいただき、ありがとうございました。
次回のテーマはですね…
丁寧な郵便局
にしようかな。
週３くらいで投稿できたらなと思ってます！
よい一日をお過ごしください🍀
